人の一生 葬制
一生を終えると隣組や親せきの厄介になります。特に隣組は喪主の身になって葬式の一切を取り仕切ります。抜粋した佛式の手順として、『(1)臨終(2)葬儀の日取りと友引(3)組へ葬式の依頼(4)枕経(5)枕返し(6)枕飾り(7)葬式と隣組(8)湯灌と納棺(9)役割と焼香順(10)葬儀の当日』で、これは隣組がいかにすべきかを主に記しています。隣組制度ができるまでにも、5人組・死去組などがありました。死去組とは葬式の一切を手伝う組のことです。
葬式と隣組
親族の一統と隣組は、昔も今も日常生活の共同体として根強く結ばれ、冠婚葬祭の中心的存在となっていますが、特に葬儀についてはすべて組が喪主に代わって行うものであり、会計、香奠(香典)、接待、賄い方、荼毘など、葬儀の一切の仕事を責任を持って円滑に行われるようにしなければいけません。組の婦人は「賄い方」を受け持つものです。喪主から依頼を受けた組の者は、集合時間を申し合わせて喪主宅に集まり、仏前に礼拝したあとお悔やみの挨拶をしてから、各人の仕事の割り当てをします。
通夜
葬儀の前夜、親せきや生前故人と親しかった人たちが集まり、組の者とともに「通夜」を営みます。勤行が終わると、伽(とぎ)見舞として近親者から届けられた菓子、饅頭、寿司等が振舞われ、生前の故人を偲びながら談に更けます。これは死者との最後の一夜をともに過ごすというしきたりからです。
非時(ひじ)
葬式の時の食事を「非時」といいます。昔から、喪主の家族は食事には一切たずさわらないことになっていて、すべて組の賄い方や親せきの者で行われます。これは遺族が悲しみにくれて、弔問客の接待ができないことと、死者のあった家の作った食事を口にすることを忌み嫌うためでもあったと思われます。
市内の葬制で、ほかの県などからみて特に珍しいと映るのは『トウガラシ汁』だそうです。